日本の法律では、年齢によってさまざまな権利・義務・制限が定められています。「成人って何歳から?」「定年は何歳?」など、生活に関わる年齢の節目を一覧でまとめます。
1. 主な年齢と法律上の区切り
| 年齢 | 内容 | 根拠法 |
|---|---|---|
| 0歳〜 | 出生届の提出(14日以内) | 戸籍法 |
| 6歳 | 就学義務(小学校入学) | 学校教育法 |
| 13歳 | 雇用禁止(一部例外あり) | 労働基準法 |
| 15歳 | 中学校卒業後、一定の労働が可能に | 労働基準法 |
| 16歳 | 原付・普通自動二輪(400cc以下)の取得可能 | 道路交通法 |
| 18歳 | 成人・選挙権・婚姻(男女とも)・普通自動車免許の取得(免許証の交付)が可能(受験は17歳6か月から) | 民法・公職選挙法 |
| 20歳 | 飲酒・喫煙・競馬等の公営ギャンブル | 未成年者飲酒禁止法等 |
| 60歳 | 特別支給の老齢厚生年金(生年月日による) | 厚生年金保険法 |
| 65歳 | 老齢基礎年金・老齢厚生年金の受給開始・介護保険第1号被保険者 | 国民年金法・介護保険法 |
| 75歳 | 後期高齢者医療制度の対象 | 高齢者医療確保法 |
2. 成人年齢の変更(2022年4月〜)
2022年4月1日から民法の成人年齢が20歳から18歳に引き下げられました。これにより18歳になると親の同意なしに契約(携帯電話・ローン・賃貸契約など)ができるようになりました。一方、飲酒・喫煙・公営ギャンブルは引き続き20歳からです。
3. 選挙権・被選挙権の年齢
| 選挙の種類 | 選挙権 | 被選挙権 |
|---|---|---|
| 衆議院議員 | 18歳以上 | 25歳以上 |
| 参議院議員 | 18歳以上 | 30歳以上 |
| 都道府県知事 | 18歳以上 | 30歳以上 |
| 市区町村長 | 18歳以上 | 25歳以上 |
4. 定年と年金の年齢
定年については高年齢者雇用安定法により、企業は65歳までの雇用確保義務があります(2021年4月から70歳までの就業機会確保が努力義務に)。法定定年は60歳以上とされており、60歳を下回る定年は設定できません。
老齢年金の受給は原則65歳からですが、60歳からの繰上げ受給(減額)や75歳までの繰下げ受給(増額)も選択できます。
5. 国民年金の加入義務
国民年金は20歳になった時点で加入義務が発生し、60歳まで保険料を納め続けます(学生は学生納付特例制度で在学中の納付を猶予できます)。会社員・公務員は厚生年金に加入することで国民年金にも自動的に加入する形になります。20歳の誕生日を迎えると日本年金機構から加入の案内が届くのが一般的です。
6. 高齢者の定義
法律・制度によって「高齢者」の定義は異なります。介護保険では65歳以上、後期高齢者医療制度では75歳以上が対象です。WHO(世界保健機関)は65歳以上を高齢者と定義しています。
自分や家族の年齢を正確に計算するには年齢計算ツールを、満年齢と数え年の違いについては満年齢と数え年の違いをご覧ください。
7. 運転免許は種類ごとに取得できる年齢が違う
「運転免許は18歳から」というイメージが強いですが、実際には免許の種類によって取得可能年齢が分かれています。原付・普通自動二輪(400cc以下)は16歳から取得できる一方、普通自動車免許は取得(免許証の交付)が18歳からで、これは2022年の成人年齢引き下げ後も変わっていません。ただし2026年4月1日から、普通・準中型の仮免許の取得と運転免許試験の受験は17歳6か月からできるようになりました。17歳6か月で試験に合格しても、免許が与えられるのは18歳になってからです。さらに中型免許は20歳以上(普通免許取得から2年以上)、大型免許は21歳以上(普通・中型免許取得から3年以上)と、経験年数の条件も加わります。
| 免許の種類 | 取得可能年齢 | 補足条件 |
|---|---|---|
| 原付(50cc以下) | 16歳以上 | 特になし |
| 普通自動二輪(〜400cc) | 16歳以上 | 特になし |
| 普通自動車 | 18歳以上(免許証の交付) | 試験は2026年4月から17歳6か月で受験可能。免許が与えられるのは18歳から |
| 準中型自動車 | 18歳以上(免許証の交付) | 試験は2026年4月から17歳6か月で受験可能。免許が与えられるのは18歳から |
| 中型自動車 | 20歳以上 | 普通・準中型免許を通算2年以上保有 |
| 大型自動車 | 21歳以上 | 普通・準中型・中型免許を通算3年以上保有 |
8. 少年法上の「特定少年」という区分(2022年〜)
2022年4月の民法改正で成人年齢が18歳に引き下げられたのに合わせて、少年法も改正されました。ただし少年法における「少年」の定義自体は20歳未満のまま維持されつつ、18・19歳は「特定少年」という新しい区分になり、17歳以下の少年とは一部異なる扱いを受けることになりました。具体的には、特定少年が起訴された場合は実名報道の禁止が解除される点や、原則として検察官に送致(いわゆる「逆送」)される対象犯罪が広がった点などが変更されています。民法上は「成人」であっても、刑事手続きでは20歳未満は引き続き少年法の枠組みの中にある、という点は誤解されやすいポイントです。
9. 婚姻・養子縁組に関する年齢
2022年の民法改正前は、女性は16歳、男性は18歳から結婚できるという男女差がありましたが、成人年齢の引き下げと同時に婚姻適齢も男女とも18歳に統一されました。これにより、かつて存在した「未成年者が結婚するには父母の同意が必要」という規定(民法第737条)も、結婚できる年齢と成人年齢がともに18歳になり、未成年者の婚姻がなくなったため、削除されました。
養子縁組については、20歳以上(かつ養子より年長)であれば養親になれるのが原則です。一方、特別養子縁組という制度では養子となる子の年齢に上限が設けられており、原則として15歳未満(一定の条件を満たせば18歳未満まで)が対象とされています。普通養子縁組と特別養子縁組では成立要件や戸籍上の扱いが異なるため、実際に検討する場合は家庭裁判所や専門家への相談が必要です。
遺言についても年齢の要件があり、満15歳に達すれば単独で有効な遺言を作成できると民法で定められています。これは婚姻や養子縁組の年齢とは別の基準で、未成年者であっても15歳以上であれば親の同意なく遺言を残せる点は、他の契約行為とは異なる、法律上の独特な特徴といえます。財産を持つ未成年者や、相続関係が複雑になりそうな家庭では、この15歳という年齢の規定を事前に知っておくことが役立つ場合があります。
このように、日本の法律は一律に「何歳から大人」と決めているわけではなく、契約・婚姻・刑事責任・選挙権・遺言など、それぞれの制度の目的に応じて異なる年齢の基準が個別に定められています。自分や家族に関わる制度がどの年齢区分に該当するか気になったときは、それぞれの根拠法を確認するのが確実です。
まとめ
日本では18歳で成人・選挙権・婚姻が可能になり、20歳から飲酒・喫煙が解禁されます。65歳から老齢年金の受給が始まり、75歳から後期高齢者医療制度の対象となります。2022年からの成人年齢引き下げにより、18〜19歳の法的立場が大きく変わっています。年齢にまつわる豆知識は閏年・早生まれ・節目の年齢でも解説しています。