複数のローン・クレジットカードの支払いがある場合、どのように返済の優先順位をつければ総支払額を最小化できるのでしょうか。「高金利から返す(雪崩法)」と「残高が少ない順(スノーボール法)」のどちらが有効かを比較します。
1. 複数の借入がある場合の返済戦略2つ
| 戦略 | 方法 | 特徴 |
|---|---|---|
| 雪崩法(Avalanche) | 最も金利が高い借入から優先して返済 | 数学的に総手数料が最小になる。長期で最もお得 |
| スノーボール法(Snowball) | 残高が最も少ない借入から優先して返済 | 早期に完済を体験でき、モチベーションが維持しやすい |
2. 具体的なシミュレーション例
例:借入①リボ払い残高20万円(年率18%)、借入②マイカーローン残高50万円(年率6%)、月の返済可能額2万円
| 雪崩法(リボ払いを先に返す) | スノーボール法(同額なので金利優先と同じ) | |
|---|---|---|
| 最初に重点返済する借入 | リボ払い残高20万円(年率18%) | リボ払い残高20万円(残高が少ない) |
| リボ払い完済後 | 残り返済額をマイカーローンへ | 残り返済額をマイカーローンへ |
| 総手数料(概算) | 約7万円 | この例では同じ |
この例では両方とも「リボ払いを先に返す」になります。残高が少ない順と金利が高い順が一致していないケースでは、金利が高い方(雪崩法)を優先した方が総手数料を節約できます。ただし、完済のモチベーションを重視するならスノーボール法が有効な場合もあります。
3. 借入の金利を正しく比較する:実質年率に注意
借入の金利を比較する際は「名目金利」ではなく「実質年利(APR)」で比較することが重要です。
| 借入の種類 | 表示される金利 | 実質年率の注意点 |
|---|---|---|
| クレジットカードのリボ払い | 年率14.6〜18% | 月利計算のため実質年率はほぼ同値(月複利でなければ) |
| 分割払い(クレジット) | 「手数料率○%」表示 | 実質年率で換算すると約10〜15%になることが多い |
| 消費者金融 | 年率3〜18% | 実質年率は借入額・期間・手数料によって変わる |
| 銀行カードローン | 年率1.5〜14.5% | 広告の金利は上限・最大値。実際の適用金利は審査次第 |
4. 返済計画を立てる際のチェックリスト
| チェック項目 | 内容 |
|---|---|
| 全借入の一覧化 | 金融機関・残高・金利・月返済額を一覧にまとめる |
| 金利の高い順に並べる | どれを優先して返すべきかを明確にする |
| 繰り上げ返済可能額の確認 | 毎月最低限の返済を確保した上で、余剰分を高金利に集中させる |
| 新しい借入をしない | 返済中は新規の借入・リボ払い残高の増加を避ける |
| 緊急資金の確保 | 全額返済に回さず、生活費2〜3ヶ月分の緊急予備資金は持っておく |
5. 返済が困難になりそうな場合の早期相談
雪崩法・スノーボール法のどちらを選んでも、収入に対して返済額が大きすぎる場合は、自力での解決が難しいこともあります。返済が苦しいと感じた段階で、消費生活センターや法テラス、弁護士・司法書士などの専門窓口に早めに相談することで、任意整理などの選択肢を検討できます。
返済の遅れが続く前に専門家に相談することで、取れる選択肢の幅が広がりやすくなります。一人で抱え込まず、早い段階で外部の相談窓口を活用することも、効果的な債務管理の一部と考えられます。
6. 家計簿・支出管理アプリを併用するメリット
返済計画を立てても、日々の支出が把握できていなければ計画通りに進めるのは難しくなります。家計簿アプリやクレジットカードの利用明細を定期的に確認する習慣をつけておくと、「今月あといくら返済に回せるか」を具体的な数字で把握しやすくなります。特に複数のカード・ローンを抱えている場合は、支出と返済の全体像を1つの場所でまとめて管理できると、返済の進み具合や残高の推移も把握しやすくなり、モチベーションの維持にもつながります。
7. 任意整理・個人再生・自己破産という選択肢
雪崩法やスノーボール法を実践しても返済が現実的に難しい場合、法的な債務整理という選択肢もあります。任意整理は、弁護士・司法書士が債権者と交渉して将来利息をカットし、元本を分割で返済していく方法です。個人再生は裁判所を通じて借金を大幅に減額してもらう手続きで、自己破産は原則として借金の返済義務そのものをなくす手続きです。それぞれ影響の範囲やその後の生活への影響が異なるため、状況に応じてどの方法が適しているかは、専門家に相談したうえで慎重に判断することが重要です。
返済に取り組む際は、収入が減った月や急な出費があった月に返済額を柔軟に調整できるよう、あらかじめ「最低限の返済額」と「余裕があるときの上乗せ額」を分けて考えておくのもおすすめです。
まとめ
複数の借入がある場合は「最も金利が高い借入から優先して返す(雪崩法)」が総手数料を最小化できる数学的に正しい戦略です。リボ払いのような高金利(年率18%)の借入は最優先で返済し、新たなリボ払い残高の増加を止めることが鉄則です。
リボ払いの完済までの期間・手数料を試算するにはリボ払い手数料シミュレーターを、リボ払いの仕組みはリボ払いの仕組みと危険性もご参照ください。