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所得税の仕組みとは?給与所得控除・所得控除・超過累進課税をわかりやすく解説

所得税が年収にそのままかかるわけではない理由と、給与所得控除・所得控除・超過累進課税の仕組みがわかります。

最終更新:2026年9月14日 / 運営:sesebox(運営者情報)

給与から所得税が引かれていることは知っていても、「年収のいくら%が税金になるのか」「なぜ年収が同じ人でも税額が違うのか」を正確に説明できる人は意外と少ないものです。この記事では、所得税がどういう仕組みで計算されているのか、給与所得控除や所得控除との関係、そして「超過累進課税」という言葉の意味を整理します。

1. 所得税は「年収」にそのままかかるわけではない

所得税は、年収(給与収入)そのものに税率をかけて計算されるわけではありません。実際には、年収から段階的に控除を差し引いた「課税所得」という金額に対して税率をかけます。大きく分けると、計算は次の3段階で進みます。

  • •① 給与収入 − 給与所得控除 = 給与所得
  • •② 給与所得 − 所得控除(基礎控除・社会保険料控除など) = 課税所得
  • •③ 課税所得 × 税率 − 控除額 = 所得税額

つまり、同じ年収500万円の人でも、社会保険料の額や扶養家族の有無によって課税所得が変わり、最終的な所得税額も変わってきます。

2. 給与所得控除とは「会社員の必要経費」

個人事業主であれば仕事にかかった経費を収入から差し引けますが、会社員には個別の経費申請の代わりに「給与所得控除」という一律の控除が用意されています。控除額は年収に応じて段階的に決まります(2020年以降の制度)。

年収給与所得控除額
162.5万円以下55万円(最低保証額)
162.5万円超 180万円以下収入 × 40% − 10万円
180万円超 360万円以下収入 × 30% + 8万円
360万円超 660万円以下収入 × 20% + 44万円
660万円超 850万円以下収入 × 10% + 110万円
850万円超195万円(上限)

例えば年収500万円であれば、給与所得控除は「500万円 × 20% + 44万円 = 144万円」となり、給与所得は「500万円 − 144万円 = 356万円」になります。

3. 所得控除でさらに課税所得が減る

給与所得から、さらにいくつかの「所得控除」を差し引いたものが課税所得になります。代表的な所得控除には次のようなものがあります。

  • •基礎控除:合計所得2,400万円以下であれば原則48万円
  • •社会保険料控除:健康保険・厚生年金・雇用保険などの本人負担分(全額が控除対象)
  • •配偶者控除・扶養控除:条件を満たす配偶者や扶養家族がいる場合
  • •生命保険料控除・地震保険料控除:保険料を支払っている場合
  • •寄付金控除:ふるさと納税などの寄付を行った場合

所得控除の合計が大きいほど課税所得は小さくなり、所得税額も少なくなります。社会保険料控除は年収のおおむね12〜16%程度になることが多く、控除額として大きな割合を占めます。

4. 「超過累進課税」の仕組みと税率表

所得税は、課税所得が増えるほど段階的に税率が上がる「超過累進課税」という方式で計算されます。よく誤解されるのが「課税所得が上がると、全部の所得に高い税率がかかる」という考え方ですが、これは誤りです。実際には、課税所得を税率の段階(ブラケット)ごとに分けて、それぞれの段階の税率をかけた合計が所得税額になります。

課税所得税率控除額
195万円以下5%0円
195万円超 330万円以下10%9.75万円
330万円超 695万円以下20%42.75万円
695万円超 900万円以下23%63.6万円
900万円超 1,800万円以下33%153.6万円
1,800万円超 4,000万円以下40%279.6万円
4,000万円超45%479.6万円

表の「控除額」は、本来段階ごとに計算すべき税額を一回の掛け算で求められるように調整した数値です。例えば課税所得300万円なら「300万円 × 10% − 9.75万円 = 20.25万円」が所得税額(復興特別所得税を加える前)になります。

5. 復興特別所得税が上乗せされる

2013年から2037年までの期間、東日本大震災の復興財源として、所得税額に2.1%の「復興特別所得税」が上乗せされています。先ほどの例(所得税20.25万円)であれば、「20.25万円 × 1.021 ≒ 20.68万円」が実際に納める所得税額になります。

6. 住民税は所得税とは別に計算される

所得税とよく一緒に語られる住民税は、計算の元になる課税所得の考え方は似ていますが、税率や控除額が異なる別の税金です。住民税は概ね「課税所得 × 10%(都道府県4%+市町村6%)+ 一定の均等割額」で計算され、超過累進課税ではなく一律の税率が使われる点が所得税と異なります。

7. このツールでわかること・わからないこと

所得税計算ツールでは、年収・基礎控除・社会保険料控除・その他の控除を入力するだけで、給与所得控除から課税所得、所得税額(復興特別所得税込み)までの概算を一度に計算できます。一方で、このツールはあくまで給与所得のみを前提にした簡易な計算です。副業収入・不動産収入・株式の譲渡所得がある場合や、医療費控除・住宅ローン控除など他の控除を適用したい場合は、確定申告で正確な税額を計算する必要があります。

8. 年末調整と確定申告の違い

会社員の所得税は、毎月の給与から概算で天引きされ(源泉徴収)、年末に会社が行う「年末調整」で1年間の正確な税額に精算されるのが基本の流れです。生命保険料控除や扶養控除の申告書を年末に提出するのは、この年末調整で正しい控除額を反映させるためです。一方、副業所得が20万円を超える場合や、医療費控除・住宅ローン控除(初年度)、ふるさと納税をワンストップ特例以外の方法で申告する場合などは、年末調整だけでは完結せず、自分で確定申告を行う必要があります。どちらの手続きが必要かは、自分の収入や控除の状況によって変わるため、該当しそうな項目がある場合は早めに確認しておくとよいでしょう。

所得税の仕組みは複雑に見えますが、「収入から控除を引いた課税所得に税率をかける」という基本の流れさえ押さえておけば、給与明細や源泉徴収票の数字も読み解きやすくなります。

制度の全体像を早めに知っておくことが、将来の税務手続きに備える確かで大切な第一歩になります。少しずつでも仕組みへの理解を深めていきましょう。

まとめ

所得税は年収にそのまま税率をかけるのではなく、給与所得控除・所得控除を順に差し引いた課税所得に超過累進税率を適用して計算されます。同じ年収でも控除の額によって税額は変わり、課税所得が上がっても「全部に高い税率がかかる」わけではない点が誤解されやすいポイントです。おおよその目安を知りたい場合は、所得税計算ツールに年収と控除額を入力してみてください。

参考にした公的資料

計算結果は一般的な計算方法にもとづく目安であり、個別の状況での税額・金額・健康状態を保証するものではありません。 制度や数値は改正・更新されることがあるため、重要な判断の前には上記の公式情報や専門家(税理士・医師など)でご確認ください。

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