住宅ローンを契約する際、多くの金融機関で「元利均等返済」と「元金均等返済」という2つの返済方式から選ぶことになります。名前は似ていますが、毎月の返済額の変化や利息の総額に違いが出る、住宅ローン選びにおいて重要なポイントです。この記事では、それぞれの仕組みとメリット・デメリットを整理します。
1. 住宅ローンの返済方式は2種類ある
住宅ローンの返済方式には、大きく分けて「元利均等返済」と「元金均等返済」の2種類があります。どちらも借入額・金利・返済期間が同じであれば最終的に返す総額は変わりませんが、返済の進み方(毎月の返済額の内訳や変化)が異なります。
2. 元利均等返済とは
元利均等返済は、毎月の返済額(元金部分+利息部分の合計)が返済期間中ずっと一定になる返済方式です。毎月の返済額は変わりませんが、その内訳は返済が進むにつれて変化し、返済開始当初は利息部分の割合が大きく、徐々に元金部分の割合が増えていきます。
多くの金融機関でこちらの方式が標準として採用されており、毎月の返済額が一定であることから、家計の管理がしやすいという特徴があります。
3. 元金均等返済とは
元金均等返済は、毎月の返済額のうち元金部分が一定になる返済方式です。利息部分はローン残高に応じて計算されるため、ローン残高が多い返済開始当初は利息額も大きく、返済が進んでローン残高が減るにつれて利息額も少なくなっていきます。そのため、毎月の返済額は返済開始当初が最も多く、返済が進むにつれて徐々に減っていきます。
4. 2つの方式のメリット・デメリット
| 項目 | 元利均等返済 | 元金均等返済 |
|---|---|---|
| 毎月の返済額 | 返済期間中ずっと一定 | 当初が最も多く、徐々に減っていく |
| 利息の総額 | 多くなりがち | 少なくなる傾向がある |
| メリット | 返済額が一定で家計管理がしやすい | 利息総額を抑えやすい |
| デメリット | 利息総額が多くなりやすい | 当初の返済額が大きく、初期の負担が重い |
同じ借入額・金利・返済期間で比較すると、元金均等返済の方が利息の総額は少なくなる傾向がありますが、返済開始当初の返済額が元利均等返済より大きくなるため、当初の収入や家計状況によっては負担が大きく感じられることもあります。
5. 固定金利・変動金利という金利タイプの違い
返済方式に加えて、住宅ローンを選ぶ際にはもう一つ「金利タイプ」という選択もあります。固定金利は返済期間中(または一定期間)金利が変わらないため、返済額が変動しない安心感がある一方、変動金利は市場の金利動向に応じて返済額が変わる可能性があり、将来金利が上昇すれば返済額が増えるリスクがあります。返済方式と金利タイプは別の選択ですが、どちらも返済計画に大きく影響するため、合わせて検討することが大切です。
6. 契約前に検討しておきたいこと
- •返済方式は、多くの金融機関で契約後に変更できないとされているため、契約前によく検討する
- •返済開始当初の家計の収入・支出のバランスを考慮して、無理のない返済額を選ぶ
- •返済方式と金利タイプ(固定・変動)はそれぞれ別の選択であることを理解しておく
返済方式は一度契約すると途中で変更できない金融機関が多いため、目先の返済額の大小だけでなく、将来的な家計の見通しも含めて、契約前にしっかりと比較検討することが重要です。
7. 一部前倒し返済(一部早期返済)という選択肢
住宅ローンの返済中にまとまった資金ができた場合、「一部前倒し返済(一部早期返済)」によって残りの利息総額を減らすことができます。前倒し返済には主に「期間短縮型」(毎月の返済額は変えずに残りの返済期間を短くする)と「返済額減額型」(返済期間は変えずに毎月の返済額を減らす)の2つの方法があります。
一般的には、毎月の返済額が変わらず利息の軽減効果が大きい期間短縮型が選ばれることが多いですが、家計に余裕を持たせたい場合は返済額減額型を選ぶこともあります。金融機関によっては前倒し返済に手数料がかかる場合もあるため、検討する際は事前に確認しておくとよいでしょう。
8. 返済期間の長さが返済額と利息に与える影響
返済方式と同じくらい返済計画を左右するのが、返済期間を何年に設定するかという選択です。期間を長くすれば毎月の返済額は下がりますが、そのぶん利息を払い続ける期間も延びるため、最終的に支払う総額は増えます。
借入額3,000万円・金利1.5%・元利均等返済で、返済期間だけを変えた場合のおおよその比較です。実際の金額は金利や手数料によって変わるため、あくまで傾向をつかむための目安として見てください。
| 返済期間 | 毎月の返済額の目安 | 利息の総額の目安 |
|---|---|---|
| 20年 | 約144,800円 | 約475万円 |
| 25年 | 約120,000円 | 約600万円 |
| 30年 | 約103,500円 | 約727万円 |
| 35年 | 約91,900円 | 約859万円 |
20年と35年を比べると、毎月の負担は約5万円軽くなる一方で、利息の総額は約384万円増える計算になります。どちらが良いかは一概には言えず、毎月の家計に余裕を持たせたいのか、生涯の支払総額を抑えたいのかによって答えが変わります。
判断に迷う場合は、返済期間を長めに設定しておき、家計に余裕が出た時点で前倒し返済で調整するという考え方もあります。毎月の返済額を先に固定してしまうより、選択肢を残せるためです。ただし金融機関によっては完済時の年齢に上限が設けられていることが多く、借入時の年齢によっては希望する期間を選べない場合もあります。具体的な金額は住宅ローン返済額計算ツールで条件を変えながら確かめてみてください。
まとめ
住宅ローンの返済方式には、毎月の返済額が一定の「元利均等返済」と、元金部分が一定で返済額が徐々に減っていく「元金均等返済」の2種類があります。家計管理のしやすさを重視するか、利息総額の軽減を重視するかによって、向いている方式は人によって異なります。固定金利・変動金利という金利タイプの違いも踏まえて、自分の状況に合った返済計画を立てることが大切です。住宅ローン返済額計算ツールでは、借入額や金利、返済期間を入力して、それぞれの返済方式での毎月の返済額をシミュレーションできます。