就職活動の自己PRや大学の卒業要件、交換留学の出願条件などで「TOEICスコア◯◯点以上」という基準を見たことがある人は多いはずです。しかし、TOEICのスコアが英検やTOEFL、IELTSといった他の試験とどう対応しているのか、CEFRという指標とどう関係しているのかは、意外と知られていません。この記事ではTOEICスコアの基本と、他の指標との関係の捉え方を解説します。
1. TOEIC L&Rの基本
一般的に「TOEICスコア」として話題になるのは、TOEIC Listening & Reading Test(TOEIC L&R)の結果です。リスニングセクションとリーディングセクションがそれぞれ5〜495点で採点され、合計で10〜990点という幅でスコアが出る仕組みになっています。
単純な正答数ではなく、統計的な処理を加えたスコアとして算出されているため、同じ正答数でも回によってスコアが多少変動することがあります。
2. CEFRとは何か
CEFR(Common European Framework of Reference for Languages、ヨーロッパ言語共通参照枠)は、言語の習熟度を試験の種類に関わらず共通の尺度で示すために作られた国際的な指標です。A1・A2・B1・B2・C1・C2の6段階で構成され、数字とアルファベットが上がるほど高い習熟度を表します。
もともとはヨーロッパで作られた枠組みですが、英語に限らずさまざまな言語の試験結果を比較する際の共通言語として、国際的に広く使われるようになっています。
3. TOEICと英検・TOEFL iBT・IELTSとの関係
文部科学省は、英検・TOEIC・TOEFL iBT・IELTSなど、国内でよく使われる英語の資格・検定試験について、CEFRのどのレベルに相当するかを示した「各資格・検定試験とCEFRの対照表」を公表しています。この対照表により、試験の種類が違っても、CEFRを介してある程度の習熟度のすり合わせができるようになっています。
TOEICのスコアも、この文科省の対照表に基づいて、おおよそどのCEFRレベルに相当するかという目安が示されており、英検やTOEFL iBT、IELTSのスコアと大まかに対応づけて捉えられることがあります。ただし、各試験は測定している技能(4技能か、2技能か)や出題形式が異なるため、対照表が示すのはあくまで目安であり、「TOEIC◯◯点は英検◯級と同じ実力」と一対一で言い切れるものではない点に注意が必要です。スコアの対応関係を確認したい場合は、文科省が公表している対照表を基準とした目安として参考にするのが安全な使い方です。
4. TOEICスコアが求められる場面
TOEICスコアは、次のような場面で確認されることがあります。
- •就職活動:エントリーシートや履歴書の語学欄、一部企業の選考基準の参考情報として
- •大学の卒業要件:学部によっては、卒業に一定以上のスコアが必要とされる場合がある
- •交換留学の出願:留学先大学やプログラムへの応募条件としてスコア基準が設けられていることが多い
- •社内異動・海外赴任の基準:企業によっては異動や昇進の参考情報として使われることがある
求められるスコアの基準は学校・企業・プログラムによって異なるため、自分が目指す場面でどの程度のスコアが基準とされているかを早めに確認しておくことが大切です。
5. スコアを上げるための基本的な学習方針
TOEIC L&Rはリスニングとリーディングの2セクションで構成されているため、どちらかが極端に弱いと合計スコアも伸びにくくなります。まずは模試や公式問題集で自分のリスニング・リーディングそれぞれの得点バランスを確認し、弱点側に学習時間を多めに配分するのが基本的な考え方です。
また、TOEICは出題形式や時間配分にある程度の型があるため、本番形式の模試を定期的に受けて時間配分や問題形式に慣れておくことも、スコアを安定して伸ばすうえで効果的とされています。
6. TOEIC L&Rの試験形式の基本
TOEIC L&Rは、リスニングセクション(約45分・100問)とリーディングセクション(75分・100問)の合計約2時間で構成されるマークシート形式の試験です。リスニングは写真描写問題・応答問題・会話問題・説明文問題の4パートに分かれ、リーディングは短文穴埋め・長文穴埋め・読解問題の3パートに分かれています。
特にリーディングセクションは時間に対して問題数が多く、時間配分を誤ると最後まで解き切れないことがあります。本番形式の模試で時間配分の感覚をつかんでおくことが、スコアを安定させるうえで重要なポイントの一つです。
7. TOEICスコアの有効期限の考え方
TOEICの公式認定証(スコアレポート)自体に法的な有効期限は定められていませんが、企業や学校が選考・出願の基準として設定する際に「2年以内に取得したスコア」のように独自の有効期限を設けていることが多くあります。これは語学力が時間の経過とともに変化しうるという考え方に基づくもので、古いスコアをそのまま使えるとは限らない点に注意が必要です。応募先の基準に合わせて、必要であれば直近で受験し直しておくと安心です。
まとめ
TOEICスコアは、文部科学省が公表する対照表を基準にCEFRや英検・TOEFL iBT・IELTSと大まかな関係づけがされていますが、試験ごとに測る技能や形式が異なるため、あくまで目安として捉えることが大切です。就活や卒業要件、交換留学の出願などで基準スコアを求められる場面は多いので、早めに自分の現状を把握しておくとよいでしょう。TOEICスコア目安換算ツールで、他の指標との大まかな対応関係を確認してみてください。