退職金手取り計算ツール
退職金と勤続年数から、退職所得控除後の税金と手取り額がわかります。役員・一般従業員・障害退職など区分ごとに対応。登録不要・無料。
最終更新:2026年10月2日 / 運営:sesebox(運営者情報)
※勤続年数は35年(1年未満の端数切り上げ後)として計算しています。
※所得税は課税退職所得金額に超過累進税率を適用し、復興特別所得税(所得税額の2.1%)を加算しています。住民税は課税退職所得金額の10%(都道府県民税4%+市町村民税6%、各100円未満切り捨て)です。
※この計算結果は概算です。実際の税額は勤務先や控除の適用状況などにより異なる場合があります。
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① このツールの使い方
退職金の額と勤続年数を入力し、退職区分(一般の従業員/役員等)と、障害者になったことが直接の原因の退職に該当するかを選ぶだけで、税金を差し引いた退職金の手取り額が表示されます。勤続年数に1年未満の端数がある場合(例:20年3か月)は、自動的に1年として切り上げて計算されます。
② 計算の仕組み:控除→1/2課税→税率
退職金の税金は、次の3ステップで求められます。
- •①退職所得控除額を引く:勤続20年以下は「40万円×勤続年数(最低80万円)」、20年超は「800万円+70万円×(勤続年数-20年)」
- •②原則1/2を課税対象にする:控除後の金額の半分だけが税金の計算対象(課税退職所得金額)になります
- •③所得税・住民税を計算する:課税退職所得金額に所得税の累進税率をかけ、住民税は課税退職所得金額の10%です
たとえば退職金2,000万円・勤続35年の場合、退職所得控除額は800万円+70万円×15年=1,850万円。控除後は150万円で、その1/2の75万円が課税退職所得金額になります。給与と比べて、同じ金額でも税金がかなり軽くなる仕組みだとわかります。
③ 退職所得控除額の早見表
| 勤続年数 | 退職所得控除額 |
|---|---|
| 10年 | 400万円(40万円×10年) |
| 20年 | 800万円(40万円×20年) |
| 30年 | 1,500万円(800万円+70万円×10年) |
| 40年 | 2,200万円(800万円+70万円×20年) |
控除額が退職金を上回れば、課税退職所得金額は0円になり、税金はかかりません。長く勤めるほど控除額が大きくなる仕組みです。
④ 勤続年数5年以下は扱いが変わる(注意点)
勤続年数が5年以下の場合、1/2課税の扱いが変わります。一般の従業員は「短期退職手当等」として、控除後の金額のうち300万円を超える部分には1/2課税が適用されません。役員等(取締役・執行役など)は5年以下なら1/2課税自体が適用されず、控除後の金額全額が課税対象になります。短期間の勤務で高額な退職金を受け取るケースの節税を防ぐための仕組みで、2022年(令和4年)以降のルールです。
障害者になったことが直接の原因で退職した場合は、通常の退職所得控除額に100万円が加算されます。
⑤ 実際の税額はいくらになるか(続き)
先ほどの退職金2,000万円・勤続35年の例(課税退職所得金額75万円)を最後まで計算すると、 所得税の速算表では税率5%の区分にあたり、復興特別所得税を含めた所得税は約38,287円、 住民税は75万円×10%=75,000円で、天引きされる税金の合計は約113,287円です。 2,000万円のうち手元に残る金額は約1,988万6,713円にのぼり、税負担の割合は0.6%程度に収まります。 同じ2,000万円の給与にかかる税率(累進課税で数十%になることが多い)と比べると、退職金の税負担がいかに軽いかがわかります。
⑥ よくある誤解
- •退職金は「もらった額がそのまま手取りになる」と誤解されがちですが、実際には所得税・復興特別所得税・住民税が源泉徴収されます
- •「退職所得の受給に関する申告書」を勤務先に提出していれば、通常は退職金の支払い時に適正な税額が源泉徴収され、原則として確定申告は不要です。未提出の場合は一律20.42%が源泉徴収され、確定申告で還付を受けられることがあります
- •この計算はあくまで目安です。正確な金額は勤務先の給与担当者や税務署・税理士に確認してください(2026年時点の税制に基づいています)
⑦ 退職金は一時金と年金、どちらで受け取るか
企業によっては、退職金を「一時金(一括)」で受け取るか、「年金(分割)」で受け取るかを選べる場合があります。一時金は今回解説した退職所得として扱われ、税負担が軽い仕組みが適用されます。一方、年金として受け取る場合は「雑所得(公的年金等控除の対象)」として扱われ、毎年の受取額に応じて課税されるため、税金の計算方法がまったく異なります。どちらが有利かは、退職金の総額、他の所得の有無、年金受給開始年齢との兼ね合いなど個別の事情によって変わるため、一概にどちらが得とは言い切れません。選択できる場合は、両方のパターンで手取り額を試算し、必要であれば税理士に相談することをおすすめします。
⑧ 転職・独立を繰り返した場合の勤続年数
退職所得控除額は勤続年数によって大きく変わるため、転職を繰り返してきた人ほど控除額が小さくなりやすい傾向があります。また、同じ年に複数の会社から退職金を受け取った場合や、確定拠出年金(iDeCoなど)の受取時期が退職金と近い場合は、勤続年数の重複調整というやや複雑なルールが適用されることがあります。退職金と個人型確定拠出年金を両方受け取る予定がある人は、受け取るタイミングをずらすことで税負担を抑えられるケースもあるため、事前に勤務先の担当部署や税理士に相談しておくと安心です。制度は改正されることもあるため、実際の受給時には最新のルールを国税庁や勤務先の案内で確認するようにしてください。退職前の早い段階から情報を集めておくことで、受け取り方の選択肢を落ち着いて検討できます。時間に余裕を持って早めに準備しておくことが、後悔のない選択に確実に、そして着実につながっていくはずです。
会社員としての税金の仕組み全体は所得税の基礎知識、給与の手取りの考え方は手取りの基礎知識でも解説しています。早めに知っておくことで、退職後の生活設計が立てやすくなります。
⑨ 年金受給額シミュレーターとの違い(一時金と、毎年の年金)
このツールが計算するのは、退職時に一度に受け取る退職金の税金と手取りです。老後に毎年受け取る公的年金の目安を知りたいときは、年金受給額シミュレーターを使ってください。
退職金は「退職所得控除」を使った退職所得として、年金は「公的年金等控除」を使った雑所得として計算されるなど、税の扱いが別です。老後のお金を考えるときは、退職金の手取り、年金の年額、貯蓄をそれぞれ別に見積もって合計すると、生活費に対してどれくらい余裕があるかが見えやすくなります。
このツールはどんな計算をしていますか?
退職金の額と勤続年数から、まず「退職所得控除額」を計算し、退職金からこの控除額を差し引いた金額の原則1/2を「課税退職所得金額」として求めます。この金額に所得税の超過累進税率を適用して所得税・復興特別所得税を計算し、課税退職所得金額の10%を住民税として計算します。退職金からこれらの税金を差し引いた金額が手取り額です。
退職所得控除額はどう計算されますか?
勤続年数20年以下の場合は「40万円×勤続年数」(80万円に満たない場合は80万円)、勤続年数20年超の場合は「800万円+70万円×(勤続年数-20年)」で計算します。例えば勤続35年なら800万円+70万円×15年=1,850万円です。勤続年数に1年未満の端数がある場合は1年として計算します(例:20年3か月→21年)。
「1/2課税」とは何ですか?
退職金から退職所得控除額を差し引いた金額に、原則としてその1/2だけを所得税・住民税の対象(課税退職所得金額)とする仕組みです。長年勤務した退職金への税負担を軽くするための制度で、給与所得などと比べて退職金の税金が低く抑えられる理由になっています。
「短期退職手当等」とは何ですか?
2022年(令和4年)から、役員等以外の従業員で勤続年数5年以下の人が受け取る退職金は「短期退職手当等」として扱われます。退職所得控除後の金額のうち300万円以下の部分には1/2課税が適用されますが、300万円を超える部分には1/2課税が適用されず全額が課税対象になります。このツールでは退職区分「一般の従業員」かつ勤続年数5年以下の場合に自動的にこの計算を行います。
役員等の場合の計算はどう違いますか?
役員等(取締役・執行役・理事など)で勤続年数5年以下の場合、退職所得控除後の金額に1/2課税は適用されず、全額が課税退職所得金額になります(短期退職手当等の300万円の区分もありません)。勤続年数5年超の役員等は、一般の従業員と同じく1/2課税が適用されます。
障害者になったことが直接の原因で退職した場合はどうなりますか?
障害者になったことが直接の原因で退職した場合、通常の退職所得控除額に100万円が加算されます。「障害者になったことが直接の原因の退職」を「対象」に設定すると、この加算を反映して計算します。
この計算結果は実際の手取りと違うことがありますか?
はい、目安としてご利用ください。実際には退職金の支給形態(一時金・年金形式の併用など)、勤務先での「退職所得の受給に関する申告書」の提出状況、その他の所得との合算の有無などにより、実際の税額・手取り額は変わる場合があります。正確な金額は勤務先の給与担当者や税務署・税理士にご確認ください。
計算結果は一般的な計算方法にもとづく目安であり、個別の状況での税額・金額・健康状態を保証するものではありません。 制度や数値は改正・更新されることがあるため、重要な判断の前には上記の公式情報や専門家(税理士・医師など)でご確認ください。